ただ買うだけなら売り場はいらない
アメリカでは流通小売業の撤退が止まらない
アメリカにあふれる「墓場」のようなショッピングモール
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ビジネスインサイダージャパンの記事
かつて、小売り各社は「アメリカ」へ流通視察に訪れた。
旅行会社だけでなくコンサルタント会社やマーケティング会社もこぞって
「アメリカ流通視察」を企画した。
広い駐車場を擁する大型のショッピングモールも、アメリカ以上の規模のSCが
日本にも続々とできて、大店法が改正された。
地域密着型の小売店が建ち並ぶ商店街は大打撃を受ける一方、
大型のSCは週末の買い物を楽しむファミリー層で賑わった。
でも……、少しずつそのカタチがまた変化をしている。
音を立てて変わって来ている感じ。
なんと言ったらいいやら……なんとなく地響きみたいな……嫌な感じ。
ビジネスインサイダージャパンの記事の裏はとれていないけれど、
ソコに出ている並んだ写真はなんだかちょっと背筋が寒くなってくる。
今朝の新聞では、USJは来場者増でも、TDLは来場者減でイースターのイベントに力が入る。
なんだろう?
このいや〜な感じ。いや〜な感覚。
買い物が思うようにできなかった戦中戦後の世代にとって「買い物」が楽しかったし
「買い物」はレジャーでストレス解消でレクリエーションで趣味でイベントだった。
だから、呉服店や宝石店の気合いの入った催事も楽しかった。
買い物をしていることで満足できたし、購入時点で満足度120%だった。
着ないし、着けないし、使わないものを買っているから
品質に対するクレームも少なかったし、
違う企画をひねり出して、面白く勧誘すればまた同じ人がやってきてくれた。
そして、いつだって買ってくれた。
アメリカのショッピングモール衰退の最大の原因は、「通販」だ。
インターネット上での買い物だ。
もともと大型の冷蔵庫がアリ(家もデカイ)週末に一週間分の食材を
大量に買い入れるライフスタイルのアメリカには、
車で行けるショッピングモールは流行らないわけはなく、
家族で赴けば、ついでにいろいろと買い物をしたりした。
シアトルに本社を置くAmazonが世界各国に進出している。
インドではAmazonで購入しても1カ月も届かないという笑い話みたいなこともあるけれど、
治安の問題はともかくとして、Amazonとともにロジスティック系企業が発展すれば
日本のような精度も可能かもしれない(もっとも、クロネコが悲鳴を上げてるけれど)。
着物や宝石は大丈夫。
ネットで満足するわけないから。
ネットではこんな高額品を売るのは無理だから。
数年前までまことしやかにそう言っていた大手企業の社長さん、コンサルタントの先生がいた。
誰もが「そうであってくれ」と祈ったし願ったけれど「ところがどっこい」(大竹しのぶさん風に)
ネットなしではもはや流通を語れないところまできてしまっている。
恐ろしいほどの変化とスピード。
店はなんのためにあるのか?
売り場はなんのためにあるのか?
商品はどうあるべきか?
「買い物」ってなんだ?
そんなことを真剣に(そして速やかに)考えなければならない。
考え続けなければならないと、なんだか本当に、真剣にそう思う。
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